ラッピング講座 五味栄里の小部屋
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ラッピング講座 《vol.51》 ラッピング講座:バレンタインデー編 Part3 板チョコレートのラッピング



男と女は海の傍らで遅い昼食をとっていた。
のどかな春の陽ざしの中で、遠く貨物船が早春の海の水平線に消えていく。その風景を見ているうちに、ふと心のルールのひもが緩み、女はその質問を口にした。
「あなたの奥様・・・、ファッションモデルみたいな方だと10年も前に聞いたことがあるのよ。今でもお美しいんでしょうね。」
男は驚いた顔をしてまじまじと女の眼を見た。暗い穴があいているような大きな瞳がそこにあった。ためらいもなく男はいった。「それは人違いじゃないのか?エプロンが似合うって言ったほうがいいよ。」予期せぬ返事に女はうろたえて、意味もなく紅茶を飲み、海の方に眼を向けた。
今の言葉を頭の中でもう一度繰り返してみた。エプロンが似合う・・・・。
急に男の存在が、はるかな岸のかなたに遠のいた感じがした。長い間、繰り返し想像していたファッションモデルの妻がけたたましく笑いながら頭の中で崩壊して、粉々にくずれていった。そのがれきの中で小さく可愛らしい花が咲いたように、エプロンの女が座っていた。その時、女は自分の長くつらかった恋に別れを告げた。

何のドラマか忘れたが、このようなシーンを映像でみたことがある。
女の人生は様々であるが、ファッションモデルとエプロンが似合うと評される女の2つのタイプを眺めたとき、幸福のイメージが強いのは、はやり「エプロンの女」じゃないかとそのドラマを見ながらつくづく思った。「エプロンが似合う・・なんて、女を家庭に閉じ込めておく方便よ。」という向きもあると思うが、幸福というイメージでは、断然エプロンの方に分があると思うのは、私の偏見だろうか?
今の女達は、男に伍して社会進出を果たしている。現に、私の若い何人かの女友達は結婚後も仕事を持っている。そして夫と役割分担をしながら家庭をきりもりして、子育ても立派にしている。しかし、そういう女性のことをエプロンが似合うとは言わない。夫の帰りを待ちながら家を磨き、料理を作る暖かい空気のような存在で、妻、母としての仕事を100%こなす、そういう女性だけがエプロンの似合う女性と表されるのだ。それぞれの価値観で評価も全く違ってくるが、少なくともエプロンが似合う女とは言われなかった私は(かといってもちろんファッションモデルとも言われてはいないが・・・?)今は確実にそちらの方が幸福だと断言できる。実は私はエプロンが似合う女になりたかったんだ!と、今、この期に及んで正直に思う。

自分の人生が家族のためだけに費やされ、家族という小さい王国の女王様でいられる幸福。家族はその女王様を中心に回っている。やがて走り疲れて1日の終わりを彼女の足元で休むために家族が帰ってくる。必ず帰ってくる。これがエプロンの女の特権である。もし、輪廻ということがあるならば、私は間違いなく次は「エプロンの女」になりたいと思っている。
ゆったりたっぷり太って、いつも台所で働いている、料理好きな女になりたい。女の幸福はそこに集約されていると悲しいまでに思う。

今、私は小松空港でペンを走らせている。外は雪。この雪の向こうに、何千、何万という「エプロンの女」が居て、おいしい料理をつくり、家族の帰りを待っている。
エプロンに象徴される女の幸福。無いものねだりと言われればそれまでだが、仕事を持ち、世の中の荒波と戦いがなら傷つき疲れている女より、男に守られて、ゆったりと女の領分の中でしっかりと自分の役目を果たす女が良い!などと随分私も変わったものだと思う。
人生半ば、ふと女としての自分の歩いてきた道を振り返り、ぐらりとするほどの迷いが出る。そのような歳になったのだと思った。

五味 栄里



ラッピング講座 ラッピング講座:板チョコレートのラッピング
バレンタインデーには手作りのトリュフを作る方も多いと思いますが、板チョコでもラッピングを工夫すればバレンタインデーの素敵な贈り物になりますよ。
※サムネイルをクリックすると、大きな画面でご覧いただけます。

1. 今回は輸入ものの板チョコを用意してみました。正方形の板チョコと通常の長方形の板チョコです。
2. ペーパー素材は薄紙(カシャカシャ音のするカラフルなペーパー)です。柔らかい素材なので包む物の形に簡単になじみ、大変便利です。ここに写っているしわしわの紙は再利用するために一度使用したものの折り筋をのばして保存しておいた物です。この紙はハードペーパーと違い折り筋はさほど気になりません。
3. リボンは下の2種類を用意しました。
ピスネーム用(ピス1行a)赤リボン&白文字 24mm
プリント文字:I Love You(ハート)
オリジナルリボン片面 黒リボン&白文字 9mm
プリント文字:「あなたが大好き from エリ」
4. 薄い材質のこのペーバーは、包む品のロゴや色が透けてしまうこともありますが、白い薄紙で内包みをしておくとペーパーの色の美しさが損なわれません。
5. 1つ1つを白いペーパーで内包みしたものの上から色違いの薄紙で包んで積み上げます。あれ?どこかで見たような・・?そうです。前回のパリで見つけたショコラのラッピングを応用してみます。
6. 極細の黒のリボンでクロス掛けをしてみました。
7. よ〜く見てみると愛の告白リボンです。細いリボンが小さい声ではずかしそうにメッセージをささやいているような感じがしませんか?
8. 赤のピスネーム用リボンを切ってリボンの裏に両面テープを貼付けます。
9. 黒リボンに貼付けるとタグのようなイメージになって面白いでしょ?
I Love You のタグ付き。バレンタインデー特別仕様のラッピングです。
10. できあがり!
11. 次に、長方形の方の板チョコを水色のペーパーに包んでみました。
12. ピスネーム用のリボンをラッピングに使用してみます。たて一文字にリボンをかけて上で結びます。1方のアシをループにします。
13. もう一つのアシに一緒にまとめます。
14. 根元をまとめて極細黒リボンで結びます。
15. 蝶リボンを結んでできあがり!
今回の2つのラッピングリボンの中には「大好き」「I Love You」がいっぱい!彼の心もとろとろにとけてしまうでしょうね、きっと。
バレンタインデー編 Part2
バレンタインデー編 Part1


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