ラッピング講座 五味栄里の小部屋
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ラッピング講座 《vol.69》 ラッピング講座:ワインのラッピング


ワインをいただく時に、ほんのちょっと心を魅かれる小物にワインオープナーがあります。我が家には40年近く前から父のお気に入りの少しかわったワインオープナーがあります。それは、手の込んだ模様の重厚なオープナーなのですが、その両サイドのレバーにはアンバランスにもハイヒールをはいたスラリとした美しい足になっている珍しい物でした。多分、父がヨーロッパから買ってきた物だと思いますが、その頃の日本ではワインそのものが珍しく、T字型のスクリュー式以外のワインオープナーなぞ誰もみたことがないような時代でした。
お客様が見えると父は決まってそのオープナーを使って得意気にワインを開けていました。コルクの上にオープナーをかぶせそのモンダイの足が上に上がり、大きく開脚すると、その場にきわどい雰囲気が流れて「オウー!!」と感嘆の声が上がるのです。そして、再びその脚が閉じるといつの間にかコルクが抜けているというマジックに感極まって、拍手までしてしまいそうな表情のお客様を前に「シテヤッタリ!!」と得意満面の父の顔がそこにありました。実直な堅物で通っている父がどうしてこのような下品なシロモノをお客様に喜んでお見せしているのか、私には理解できず、父のイメージが壊れるようで、其のときは父もそのお客様達も心の中で「皆嫌い!」と軽蔑していたのは、純情で無垢な若気の至りだったのだと、今になって懐かしく思い出されます。
でも、それほど父を楽しませたワインオープナーも所詮は素人の小道具でしかなく、プロフェッショナルの持つ小物ははやりあのシンプルなソムリエナイフが定番です。黒服のソムリエがナイフでキリキリと刻みを入れ、カバーをはずし、スクリューを突き立ててぐいぐいとコルクを抜く。音も立てずにあっという間に進行していくあの手さばきはお見事!!抜いたコルクを持つ指をひらりと返して、その裏を鼻で嗅ぐのはワインと内緒話でもしたようなまるでポーカーフェイス。それをテーブルに置くまでお客達は黙ってその一人舞台に見入ります。そして、ふぅ〜とため息をついて我に返り、いつの間にか注がれたワインに心を移します。
ワインとしゃれたイタリア料理がテーブルに載った、少しだけの昔の会話の中で「家でワインを開ける時はソムリエナイフです」とこともなげにおっしゃった方がいらっしゃいました。それをお聞きした途端これこそ男の魅力!と思いました。父のあのイメージが災いして、男がワインオープナーでぐいぐいとワインを開けるのはどう考えても美しくない・・・と痛烈に思いました。すると、目の前の方を通してその向こうにある風景が広がってきました。客達がさんざめくホームパーティの中で、ホストが慣れた仕草でワインをスマートに開けて客のグラスに注いでいる。場面がかわり夫婦の憩いの一刻。しっとりとした会話の中で夜の時間が流れ、何気なくワインを開けて妻のグラスに濃厚な赤い色の液体を注ぐ・・・。まるで、「まばゆい」と表現したくなるようなシーンが次々と頭に浮かび、その方への憧れがクラクラと私の心を捉えました。めまいのような想像の連鎖を通して、ソムリエナイフの手さばきだけが特別にフォーカスされそれが美しく感じたのか?本当は目の前のその方自身も魅力的だったのか?ワインの酔いも相当に手伝っていたので、今はすでに時が過ぎてしまい、判然としませんが、ソムリエナイフを使える人へのこだわりだけはしっかりと心に残っているようです。
もし、私のためだけにソムリエナイフを使い、美しい仕草でワインを開けてくれる人が傍らに居たならば、今でも私は間違いなくその人を好きになるに違いないと、気持ちが怪しく騒ぎます。特に寂しくやるせない夜は、想像の向こうの世界にあるソムリエナイフのあの鈍い銀色の光が羨望の衣をまとって私の心に刺さります。
五味 栄里



ラッピング講座 ラッピング講座:
ワインのラッピング
今回はエッセイがワインに関係したお話ですので、ラッピングもワインを選んでみました。
※サムネイルをクリックすると、大きな画面でご覧いただけます。

1. 夏の夜空のような星がちりばめてあるおしゃべリボンを用意しました。
(こういうリボンは下にあるようなロゴデータを作って送っていただければ作れます)
2. ブルー系や紫系の薄紙を用意しました。少しづつ残して取っておいた紙がこういう時に役に立ちます。
3. たて長に大きめの薄紙を置きます。右端の紙がワインん裏の中央にくるようにワインを置きます。
4. ワインを3.の位置からころころと左へ転がしていいき、左のペーパーの端を巻き付けます。
5. ワインを再び右に転がしながら紙を巻き付けていくと、ワインは3.の位置に戻ります。合わせ目がきちんとワインの裏の真ん中に位置します。合わせ目を両面テープで留めます。
6. 底の処理は、箱のとじ合わせと同じ方法で折りたたみ、セロハンテープで留めます。
7. 包み終わりました。
8. 使用する残り紙を全て半分に折ります。
9. 半分に折ったまま、屏風たたみにします。折り巾は2cmくらいです。
10. 色違いで3本作ります。
11. 両端を鋭角な三角形に切り揃えます。
12. 全て屏風たたみを鋭角にカットして、真ん中をセロハンテープで留めます。
13. 2枚重ねの紙を引き離して。花のように広げていきます。
14. すべて広げおわるとこのような形になります。
15. ワインの上の余った紙を正面の方に折り下げて、その半分を今度は折り上げます。
16. 真ん中をぎゅっと絞ります。
17. リボンで結びます。
18. 結び目の所に花を置いて結びつけて留めます。
19. 蝶結びにしてアシを長めにします。
20. 19.の要領で他の花も違う場所に結びつけます。
21. 夏の夜空のワイン包みが完成しました。



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